[アート]ガバナーズ・アイランド

ガバナーズ・アイランドは、自由の女神が立つリバティ島の隣にある、小さな島だ。1996年まで軍と沿岸警備隊の基地や居住地として使われていたが、2003年にNY州と市に譲渡された。2005年から夏の週末だけ一般に開放されるようになり,100以上のパンクバンドが演奏する「パンクアイランド」を始めとして,毎週ビーチでコンサートが行われている。休憩込み12時間という長さでこの夏話題になったドストエフスキー作「悪霊」の舞台版など,リンカーンセンター・フェスティバルの会場にもなった。公園と教育施設を建設する再開発案が4月にまとまったところだ。


使われなくなったアパートや図書館には,「サイレントヒル」を思わせる廃墟の美がある。今のところは殆どの建物が立ち入り禁止だが,一部のアパートではその構造を生かしたアートが展示されている。緑の多い屋外には彫刻やミニゴルフ,自転車レンタルもある。音程の違うドラム缶大のポリタンクを並べた彫刻では,12歳ぐらい(?)の子ども二人とジャムセッションした。子供もこれぐらいになると,人の音が聞ける。お約束の乱打ユニゾンで終わったところ,子供は「シングルカットできるね」と言って去っていった。遊んでくれたのか。


ビーチでは泳げないが,地元の生ビールとホットドッグがビーチ気分を高めてくれる。どちらも場所と値段の割にかなり美味しく,ホットドッグの付け合せは,それだけでサラダになるほど種類も豊富でとり放題。スパイシー・パイナップルマスタードが美味。ツインタワーがなくなった今では,ブルックリン橋から見るマンハッタンと違って特徴的な建物がないので,別世界感がある。プラスチック製のカラフルなヤシの木が,さらにその感を強めている。