Wolfe's Pond Park


自由の女神を海から見るためにスタテン島行きのフェリーに乗り、そのままマンハッタンに引き返す観光客は数多いが、スタテン島の南端には見逃すには惜しい自然がある。ビーチとそれに隣接する大きな池や沼地と森を持つ公園だ。Wolfe's Pond の名の通り、池を回るハイキングコースでは、スケールの大きい眺めが楽しめる。観光客はまず来ないし、地元の人々もバーベキューの場所に固まっているが後はまばら。


海の水は茶色に濁り、砂浜にはでっかいカブトガニの殻が世界の終末的にごろごろしていて、水に入るのは100ドルもらっても勘弁したいが(気にせずぶいぶい泳いでるロシア人のおっさんがいた)池はまったく素晴らしい。池とその周辺の森をぐるっと回り海岸に出て、また池に戻るコースは変化に富み、今まで見た中で世界一汚いビーチにさえ多少愛着がわいてくる。住宅地のすぐ隣に原始的な池や沼地、森林があるのも驚きだ。

スタテン島は、マンハッタンからフェリーで30分ほどしか離れていない、ニューヨーク市の一部だが、色々な意味で別世界だ。公園に行くバス乗り場の表示が間違っていたり、島の端まで来ると道路がでこぼこだったりと、観光客が来ない場所には金を使えない、財政に苦しむニューヨークを実感した。基本的に車社会で、変哲ない店とファーストフード、時々モールが出現する光景はニュージャージー郊外と変わらないが、さらに活気がない印象。フェリー乗り場からバスで1時間ほどかかることもあり、大池はどこか異世界的だった。