パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェストPirates of the Caribbean: Dead Man's Chest

djmomo2006-07-24


全米公開後3日間のボックスオフィスの数字は、史上最高の1億3200万ドルを記録し、大ヒット中のシリーズ二作目だが、何でこんなに受けてるのか全く分からない。批評家には評判が悪く、彼らの意見にいつも同意はしないが、この作品に関しては同感。

ジョニー・デップの海賊役は、魅力的な漫画のキャラクターであり、演技も自然だが、生身の人間にしかできない演技が見たい、という欲求不満にさせられる。美しい男がコミカルな役を演じる、というのが幅広い観客の反感をかわずに大ヒットした理由だと思うが。

とはいえ、彼なしでは約2時間半の作品は、さらに苦痛で退屈だろう。オーランド・ブルームキーラ・ナイトレイ(「高慢と偏見」は新鮮だったが、ここでは誰が演じても良さそう)もデップに比べ全く印象が薄い。一作目同様、大筋はつかめるものの、サブプロットが不必要に分かりづらく、話の語り方が下手。特に前半3分の2はスローで、何も起こっていない印象を与える。出来事やギャグ、タイミング、音楽などの9割以上が陳腐で使い古されたクリーシェで成り立っている。それゆえに、家族連れで安心して見られるから、のヒットだろうか。ディズニーランドを好きな人は好きかもしれないが、紋切り型を使いながらも新鮮なひねりを求める人には全くおすすめできない。三作目に気を持たせるよう、思いっきり中途半端な終わり方だが、続編どころか、本編が終わってせいせいした。