パロディ映画オールタイム・ベスト3

[
The Producersプロデューサーズ(1968年)
Galaxy Questギャラクシー・クエスト
This is Spinal Tapスパイナル・タップ

ギャラクシー・クエスト」を最近ビデオで見て感激したので、繰り返し見たくなるパロディ映画のベスト3を挙げてみた(順不同)。元ネタに詳しくなくても楽しめる作品ばかりだ。

上記二本は、それぞれ古き良きブロードウェイのミュージカル・コメディとスタートレックをパロディー化しながら、元ネタの魅力を伝え、見た後も高揚感が持続するフィールグッドな作品。両作品とも役者の演技も素晴らしく、メル・ブルックス監督作品が好き、というよりジーン・ワイルダー、特にあのヤバイ目が好きだ。「ヤング・フランケンシュタイン」や「ブレージングサドル」に比べ、「プロデューサーズ」は純粋なパロディ映画というよりコメディ映画だが、物語として完成度が高いのはこの監督デビュー作。

ギャラクシー・クエスト」はスタートレック・コンベンション出席を仕事と割り切る元スタートレック役者、スタートレックのエピソードを実際の出来事の記録だと信じるエイリアン、セットのちゃちさを承知しながら作品世界を信じるトレッキーの姿を通して、タフな現実に生きる我々にとってのフィクションの大切さを描き、シンプルだが深い。「プロデューサーズ」でも、詐欺行為を通して、パートナーや元女優の老婦人たちに夢と生きる目的を与えるブロードウェイ・プロデューサーの姿を通し、信じることの大切さが描かれる。良質なパロディーは、現実とフィクションと我々の関係を考察した良質なメタフィクションである、とも言える。

スパイナル・タップ」はロックのバカバカしさを描いたモキュメンタリー(偽ドキュメンタリー)形式コメディの傑作。ヘビメタという茶化しやすい対象ではあるが、その分徹底的にバカなのがたまらない。