Swoon-イーストリバーに浮かぶおもちゃの船

   
切り絵によるストリートアートでここ数年来注目を浴びている若手アーティストSwoonの展覧会に行ってきた。巨大なロフト空間を生かした大きなインスタレーションも良かったが、今回の目玉は、マンハッタンの高層ビルを背景にイーストリバーに浮かぶ、木や金属の廃材でSwoonと彼女の仲間が手作りした7台のボート。Swoonの、どこか懐かしいようでDIYパンクなストリートアートの精神が生かされた、ダンボールのおもちゃのように見える船は、一見して実際に走れそうにない外見だが、ハドソン河での航行をこの夏終えたばかりだ。
会場はクィーンズのロングアイランド・シティにあるDeitch Project。このギャラリーはソーホーに本拠地があり、Michel Gondryの映画「Be Kind Rewind」のセットを使って観客が自分でビデオを撮ることのできる展示など、面白い企画を手がけている。この展覧会のオープニングでは音楽、ポエトリーリーディング、芝居がミックスしたようなパフォーマンスもボートの上で行われたが、ボートという設定を活かしきれておらず、いま一つだった。
http://www.deitch.com/projects/sub.php?projId=248

以下は、そのパフォーマンスが始まるのを待っている間に書いた詩のようなもの。NYに住んで13年、日本語のレベルには到達できないからと思って、英語で歌詞や詩を書くのをあきらめ、抽象的な表現の音楽に走っていたが、最近自分の言葉の引き出しがやっと出来てきたようで、英語で物を書き始めた(詩や歌詞は、散文よりも文法にアバウトで大丈夫なので気が楽)。そうなると、日本語でもまた書き出すようになった。

Waiting for Swoon
Cardboard ships floating on the river/Swinging wildly, side by side/Lighted up
People are gathering
Realizing more details as my eyes are getting used to
What a pleasure!
Bang!
(Watch your step)
Do I break anything?/Anything yet?
Mending and patching,breaking all the doors and assembling them again
Hold them high/Painted them with faded colors
With wind-chime ringing, untold stories are going to be revealed