風俗江戸東京物語

ブックオフの1ドルコーナーで岡本綺堂の「風俗江戸東京物語」を発見。へぇーと思ったことがいくつかあったので書き留めておく。芝居などでは駕籠かきが旅人をゆすっているが、宿場から正式な駕籠を雇えば規定通りの賃金で運んでくれた。実際は、大名行列などのたちの悪い仲間が身体を揺すり、駕籠かきが駕籠を担げないようにして金銭をゆすりとったそうで、これが強請を「ゆすり」という由来である。

また、同じ身分同士の男女が心中して、男が生き残ると死罪、女が生き残った場合は非人として非人頭の車善七に渡される。しかし、引き取り人があれば、非人頭に足洗金を渡してもとの身分に戻れる。車善七は浅草の非人頭で世襲制テキヤアウトローな流れ者である寅さんの名前「車寅次郎」はそこからとったのかな。柴又は浅草と近いしね。善七という名前は、吉原の裏稼業を取り仕切る一団を、人としての8つの徳を忘れた「亡八者」と呼ぶのと対照的。