Shopgirl

djmomo2005-11-01


スティーブ・マーティン原作・脚本・主演のShopgirlを見た。

ビバリーヒルズの高級デパート、サックスフィフスアベニューのフォーマル手袋カウンターで働く、田舎出の孤独なクレア・デインズが、若く貧乏なジェイソン・シュワルツマンと、親子ほど年が違う大金持ちのマーティンに出会い、どっちにするか悩む、という前提のロマンティックコメディ。

のはずだが、主演・原作・脚本とはいえ、マーティンの方ばかり描かれていて、天秤にかけようがなく、スリリングじゃない。「ラッシュモア」でのシュワルツマンのハイパーなエネルギーはどこへ(ないわけでもないけど、作品の中で生きてない)。マーティンの洗練された魅力に圧倒的に負けてて、勝負にならないじゃん。クレア・デインズは、客が来るのを待つだけの、受け身な売り場で働く、大都会に住む女の子の焦りと孤独を、なかなか魅力的に表現していた。スティーブ・マーティン主演映画なのに、ギャグが少ないのにはがっかりしたが。くすくす笑いはあるが、椅子から転げ落ちそうな笑いはなかった。

パーティーの多いハリウッドとはいえ、フォーマル手袋だけの売り場って、ほんとにあるのかなあ?原作では、サックスではなく、ニーマン・マーカスらしいが、人件費の面から言えば、効率悪すぎ。マーティンのボイスオーバーや、実際にはありえないLA上空の満天の星、など大人のおとぎ話を狙っているらしいが、手袋売り場も、デインズの役柄の不毛さを強調するための嘘のような気がする。でも、おとぎ話とはいえ、二人の男の描かれ方の不均衡さと、ディティールが、いまいち説得力なし。デインズのキャリア選択も、男のコネを使ってステップアップしたのかどうかがはっきりしない。彼女の役柄描写に、重要なポイントだと思うが。

若い女の子と年上男という設定は、Lost in Translationを思い出させるが、バランス悪い上に、東京という設定と、音楽の使い方でも、負けてる。演技自体は悪くないのに、もったいないことです。もうちょっと大人になって、自分の出番を減らした方が、より効果的で面白くなったのにねえ、超有名人のマーティンさん。