ゾンビは死なない。だって、ゾンビだもん!

映画・本・ビデオゲームなどにおけるゾンビ復活についての記事が、NYタイムズにのっていた。とりわけ目新しい分析はないが、まとめ方がうまく、面白い記事になっている。

興味深い箇所を要約してみると、「数年前まではゾンビはなりをひそめていた」が、ゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロ作品のリメイクや新作がとられる一方、ロメロも昨年復活を果たし、スティーブン・キングの最新作「セル」もゾンビについてである。

「ゾンビの復活は、同時多発テロ以後の日常生活における、テロ、戦争、自然災害といった不安と結びついている、とゾンビ・ファンは見ている」「邪悪さが限られた存在の中だけにとどまっている狼男(80年代に人気があった)や吸血鬼(90年代)と違い、ゾンビはいたるところに拡散する。鳥インフルエンザは、ゾンビのように拡散した、ととらえるファンもいる」。

ロメロ作品に見られるように「ゾンビは、食べて食べて食べつくし、飢えに駆られる消費者である」「ゾンビを通して、社会的な主題を描こうとする作品には二通りある。アメリカ文化の比喩としてのゾンビと、社会を脅かす外部圧力としてのゾンビである」

前に日記に書いたように、ロメロの復活作Land of the Deadのゾンビは、アメリカともテロリストともとらえることが可能で、ゾンビ映画の成熟を表している、といえるだろう。そういえば、パロディー物のShaun of the Deadというイギリス映画も2004年に公開された。ゾンビを撃退する武器としてレコードしかなく、投げてもいいのを選びながら、ゾンビに投げてるのが最高だった!

http://www.nytimes.com/2006/03/26/fashion/sundaystyles/26ZOMBIES.html?pagewanted=1&_r=1&adxnnl=0&adxnnlx=1143646116-pGlNDkcapGyNAPKWsGTnmg

日曜版のStyle面の記事で、ファッションだけでなく、文化やライフスタイルのトレンドをとらえて分析する、タイムズの中で最も面白いセクションの内の一つ。