226 Series/The Foundry

  

土曜夜は、自宅でのコンサート。

Bruno Morello (sax) & Shayna Dulberger (bass)
Ninni Morgia (guitar)
Light In August : Ann Adachi (flute)& Gregory Reynolds (alto sax)

ブルーノとシェイナは初の顔合わせ。ジャズ系の即興が多かったが、現代音楽系の即興もメロディックで美しかった。

ニニは、テーブルトップ(彼の場合はラップトップだが)ギターをソロで演奏。普段は大音量の演奏が多い彼だが、一味違って興味深かった。スチールウールで弦をこすったり、弦の間に金属の棒を挟んだり、とテーブルトップ・ギターではありふれたテクニックばかりだが、ゆーっくりと気づかない内に音量を上げて盛り上げていく構成が良かった。私もソロ・ターンテーブルに続いて、ソロ・ギターでもデビューしようかなあ。ギターはびっくり箱としてとっておきたくて、他の楽器に比べあまり演奏しないから、最低5年は先になるかもしれないけど、刺激になった。

Light In Augustもインティメイトな演奏が、前にクラブで見たときよりも、暗くしたリビングルームに合っているようだった。彼らやニニのように、音楽がこのスペースに合っていたり、小さいスペースを生かした音に挑戦してくれたりすると、シリーズを開催している冥利につきる。

ブルーノもニニもシシリー島の出身。このアパートの前の住人で、ブルーノが入賞したことのあるコンテストを主催するサルヴァトーレもシシリーの出身、ニニの友人のフェデリコ(!)はローマ出身、とイタリア人が多い夜だった。

初対面のブルーノとニニがイタリア語でしゃべりはじめると、挨拶を交わしている(と思われる)だけで、映画の一場面のような音楽のような情景が生まれ、周りの英語&日本語を母国語とする連中は聞きほれる。日本人の私が、シシリー出身者同士をNYで引き合わせる、ってのも不思議な縁だ。決して愛想良くなく、口数も多い方ではない私が自宅でコンサート・シリーズのホスト役をもう1年務めてるのも、考えてみたら不思議だ。何となく来てしまったNYに、もう11年もいるんだなあ。

お客さんも出入りはあったが、常時20人ほどいて盛況。仕入れたビールの本数の読みも当たり、ちょうど売り切れになった。イタリア人たちは、ギネスを1ドル50セントで飲ませる近所のロシア系(!)ピザ屋に繰り出したが、私とエドは後片付けをしながら充実感に浸った。