X-Men : The Last Stand

djmomo2006-05-30


シリーズ三作目で最後の作品のはず。ブライアン・シンガーが監督した前の二作に比べ、空っぽと批判され、原作のファンからはストーリーを単純化しずぎ、と非難されているが、私は結構楽しめた。ミュータントを普通の人間にする特効薬が発明され、それをミュータント全滅の前兆ととる、ミュータントの中の過激派マグニートと、穏健派のX-Menとの戦いの話。

新しいミュータントが説明なしか、ほんの少しの説明でどんどん出てくるので、ヒュー・ジャックマンハル・ベリーの存在感はますます小さくなって、主人公たちへの共感の余地はないけれども。最後の戦いの場面でジャックマンが、、俺たちはX-Menだ、戦うぜ、みたいな事を言うんだけど、仲間の中には考えないと誰だか思い出せないミュータントが数人。カメオ並み出演の登場人物がめまぐるしく入れ替わり、金のかかりまくった特殊効果(ゴールデンゲートブリッジをミュータントパワーで架け替えるなど)をぼんぼん入れて、仕上げた1時間40分の作品。ハリウッドの夏の超大作としては、こんなもんじゃないの。退屈はしなかった。悪役も善玉も単純だけど、どちらの言い分も納得できるよう作ってある。実は泣いてしまった箇所もある。共感というよりは条件反射的のような気がするけど。

でも、X-Menシリーズは、「スーパーマン」「バットマン」「スパイダーマン」と、その時々の時代にリンクして、人々の共感を呼んできた作品と違い、2000年代を代表するスーパーヒーロー映画にはならないだろうな。前二作ではミュータント=ゲイのアナロジー(本作では、それが発展されてない、という批判もある)が展開されるが、それにしてもマイノリティであって、広く共感を呼ぶにはいたらない設定だし。

原作者のスタン・リーが、芝生に水をやっている普通のおじさん役でカメオ出演しててキュートだった。