ゴールデングローブ賞授賞式

大体予想通りで、特定の作品に偏らない受賞結果だった。
以下、授賞式の感想。

クリント・イーストウッドは、人気オーディションTV番組「アメリカン・アイドル」の元出演者で「ドリームガールズ」のジェニファー・ハドソンの受賞スピーチを引用し、ウォーレン・ビーティは突然ボラートの真似をして(「私、カザフスタンから来ました」)笑いをとろうとしたが、不発に終わった。大御所なんだから、売れないコメディアンみたいなことしなくても良いのに!いや、そこまでしてうけたいという情熱と、新しいことも知ってるぞ、という若さを誇示するエゴこそ(結果的には不発のおやじギャグでも)大スターの証かもしれない。

ビーティは功労賞であるセシル・B・デミル賞を受賞し、トム・ハンクスが「1964年、最も期待のnewcomer(新人)」と彼のキャリアを紹介。ビーティはそれを受けて、受賞スピーチの最後を、妻アネット・ベニングへ「いつも君にとってニューカマーでありたい」としめ、彼女をうれし泣きさせていた。本物のたらしを見せてもらったね。女たらすんだったら、これぐらいはやらないと。

TVコメディ部門では「アグリー・ベティ」が作品賞と主演賞を受賞。ブスでダサいが心の美しい女の子が、ファッション雑誌で一生懸命働く話で「プラダを着た悪魔」より面白い。主演のアメリカ・フェレラは美人ではないが、性格の良さがにじみ出ていて「見た目ではなく内面が美しい、という新しいタイプの登場人物を演じることができてうれしい」と述べ、会場の美人女優たちは共感の涙うるうる。が、そのすぐ後に美人インタビュアーがにこやかに「あなた、今日はとってもきれいよ」。無意識の嫌味混じりに聞こえた。女は恐い。

コメディ・ミュージカル部門の助演男優賞を受賞したエディ・マーフィーはジョークを言わなかったが、同部門の主演男優賞サシャ・バロン・コーエンは期待通り大爆笑を巻き起こした。「ボラート」の裸レスリングの場面について「撮影中に、アメリカの暗く汚い部分を見ました。共演者の肛門や睾丸、二つのゴールデングローブを」(お上品なNYタイムズは、このコメントを完全無視)。しゃべり方や衣装まで「ボラート」になりきってほしかったが。

受賞者のリストは
http://www.hfpa.org/nominations/index.html