気分はロック

1997年から夫のエドと活動を続けている実験音楽デュオ、Spin-17。と書いて気がついた。今年は早いもので10周年だ。その時々の結婚生活や音楽の志向を、直接間接的に反映した音を作り出してきたが、最近の気分は原点に戻ってロック。エドはサックスよりギター、私は友人が拾ってきてくれたおもちゃのドラムと歌中心の編成。11月末から久々にゲストなしで二人だけの演奏が続き、やっと一段落したところだ。

即興性が強いとはいえロックなので、コンセプトだけ決めた即興演奏と違い、きちんとリハするのも久しぶりで新鮮だった。それぞれのギグは全て客層も違い、試行錯誤しながら、次に演奏する曲目を決め、ボウでギターやシンバルを演奏したり、おもちゃ、テルミン、ピアニカなどをその都度加えた。メドレー(エリントンなどのスタンドードやジミヘン、ニルバーナ、キング・クリムゾン、007のテーマなど十数曲を7分ほどで演奏)はどのギグでもうけたが、うける曲は客層によって違った。

一番盛り上がったのは、一番ロックがはまるセッティングのギターフエスティバル(NY Rebels Guitar Festival)。1月27日、ブルックリンのFreddy’s Backroomというバーの中にあるパフォーマンススペースでの演奏、土曜の夜12時ごろというおいしい時間帯で、客も他の2バンドの時より多かった。メドレーの中でキッスの「ロックンロール・オールナイト」を観客と一緒に歌ったのは、思い出すたびに楽しくなる体験だ。

11月26日、ロウアーイーストサイドにあるケークショップでのギグは、他の実験&音響系のバンドと出したレコードのリリースパーティー。新しい方向性になってから初めてのギグで、ラフな演奏だったがパワーはあり、反応も良く新鮮だった。

1月8日のウエストビレッジにあるコーネリア・ストリート・カフェはキャバレー的な場所なので、他流試合のつもりで行った。音量もパワーも全開というわけにはいかなかったが、観客の反応は思ったよりオープンで感じが良かった。

2月8日のFreqenciesは寒かったこと&技術面のトラブルで、アンチクライマックス的、一人ひとりの反応はナイスなのに、演奏中のリアクションはあまり感じられなかった。暖冬だったのが普通の気温に戻った週で、外は零下10度くらい、暖房も壊れていて観客はコートを着込んだまま。が、録音を聞いたら、練習&ギグの甲斐あって、ミスも少なくパワーもある良い演奏だった。ライブは生物だから、こういうこともある。Freqenciesは、ブルックリンのウィリアムスバーグを中心に開かれている音楽&アート・フェスティバル(http://myspace.com/frequenciesnyc)

これからの課題。ロックよりの場所&バンドにギグのアプローチ。新鮮さを保ちながら、レパートリー維持&増やす。ロック用の音作り(アンプ&PA)。

ビデオ映像は、コーネリア・ストリート・カフェの演奏から。
http://www.youtube.com/watch?v=BIVZ68wKjME