Forgetting Sarah Marshall


「Forgetting Sarah Marshall」は、ここ数年ハリウッドを席巻しているジャド・アパトウ(「40歳の童貞男」)制作によるセックスコメディの最新作で、4月18日からの公開。おたく男と美人のありえない組み合わせは、アパトウ制作の去年の傑作「Knocked Up」と同じパターンだが、これはあまり笑えない。
美人TV女優サラ・マーシャルにふられた作曲家がハワイに傷心旅行に行くものの、宿泊先のホテルで彼女と出くわしてしまうという設定だが、スタッフ自体がハワイにバケーションに来ているような(NYタイムズ)出来で、「Forgetting Forgetting Sarah Marshall」と呼びたいほど、見るそばから忘れていってしまう。笑えるギャグが全くないわけではないが、インパクトがなく、「Knocked Up」では強烈なギャグとスウィートな心に押されて気にならなかった、ありえないカップリングも、ここではひたすら不自然だ。
振られた作曲家が心機一転しようと、自分が本当にやりたかった人形劇ミュージカルの作曲に着手する。大人のためのセサミストリートと名打った、ブロードウェイで大ヒット上映中の異色作品「Avenue Q」と「ドラキュラ」を合わせたような人形劇だ。人形劇の場面では「Avenue Q」の主演の一人、Stephanie D'Abruzzoがカメオ出演していた、と思う。

「アイアンマン」再見。初めて見た時に多少気になったプロットの不自然さは2回目には気にならず、ダウニーJrの魅力(とグウィネス・パルトローの微妙な演技)をさらに味わうことができた。また、トニー・スタークの弱点である心臓につけた装置が、アイアンマンとしてのエネルギー源となっている点もよりよく見えてきた。自分の過去の失敗をも役作りに利用して、夏のブロックバスター映画の主演として完全復帰したダウニーJrと役柄のオーバーラップ、ますます完璧なキャスティングだと思う。