Bottle Shock


アラン・リックマンが好きなので、つい見てしまったが、あまりの退屈さにビデオを早送りしてしまった。ランドール・ミラー監督でリックマン主演の映画は、「Nobel Son」と並びこの秋2本公開されたが、どちらも評判が良くない。リックマンのメジャーでない出演作品のチョイスはどうもいただけない。せっかく良い役者なのにと常々思っている。
1976年に行われたワイン・テイスティングを元にした作品。パリでワインショップを経営するイギリス人(リックマン)がカリフォルニアにワインを探しに行き、彼が主宰する銘柄を伏せたテイスティングの結果、カリフォルニアがフレンチ・ワインを負かすまでを描く。一番の問題は、ワインが主題の作品なのに、ワインが飲みたくならないことだ。山場のテイスティングの場面では、沢山のワインを飲み比べなくてはならない審査員が、ワインをべっと吐き出すカットが繰り返され、リアリスティックな描写が行き過ぎて、作品自体を否定している。その割に、カリフォルニアを訪れるパリのイギリス人のワイン・スノッブ(=嫌な奴)というキャラクターの面白さも描かれきっていない。それでも、唯一の見所であるリックマンの出番は期待したより少なく、代わりにナパ・バレーのワイナリー経営主(ビル・プルマン)とその息子、ワイン鑑定の名人であるメキシコ人、インターンの女の間にドラマが展開されるが、これが非常につまらない。