Slumdog Millionaire


インド版「Who Wants to Be a Millionaire?」に解答者として出演しているスラム出身の青年が、問題の答えを過去の経験から導く様子を、フラッシュバックを繰り返して描くアイデアは新鮮。イギリスとインドの混合スタッフが、インドの歴史や風土と、世界各国でフランチャイズされているクイズ番組を一体化させた、真にグローバルな映画でもある。ムンバイのスラムで知恵と体力を駆使して生きる子供たちの姿と、荒涼として美しいスラムの景色との対象も印象的だ。しかし、長さを変化しながらも結局はTV番組の回答に戻っていく、フラッシュバックの繰り返しが鼻についてくる。かといって過去と現在をつなぎ、作品の軸になる主人公のロマンスが、それに勝るほど物語的にも映像的にも面白くもないのが難点。ダニー・ボイル監督。