Harry Potter and the Half-Blood Princeハリー・ポッターと謎のプリンス


ハリー・ポッターも6作目になり、子供たちは性ホルモンに悩まされるようになる。長すぎる原作はうまく編集されてテンポがよくなっているものの、大人にはうざったいだけのティーンの色恋沙汰が多すぎる(ハリーが恋するようになるジニーは、原作ではモテモテのはずなのに可愛くない)。二作に分けて映画版が作られる最終巻の前哨戦といったところか、アクションは対照的に少なめで、死喰い人がロンドンで一般人を襲撃する、スピード感あるオープニングでのペースは続かない。
大人の俳優たちは相変わらず見ごたえがある。アラン・リックマンのスネイプは、ますます重要で曖昧な役どころになり、存分に期待に応えている。マイケル・ガンボンダンブルドアも、やっと名優に相応しいだけの見せ場があり、ずるさと才能、不安と良心が混じり合った複雑なスラグホーンもジム・ブロードベントが好演。原作がそうだからしょうがないかもしれないが、ハリーの敵であり、お互いに殺すか殺されるかの関係であるボルデモートが回想場面しか出てこないせいもあり、危機感が薄れている。