「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」

私は原作のファンだが、2時間30分は長すぎる。原作に忠実なあまりにテンポが遅く,時計を何回か見てしまった。最後を2部作にしたのは金儲け主義としか思えない。ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人が暗い森をさまようのに、大部分の時間が費やされるが、ホグワーツの教師を演じるベテラン舞台俳優たちの助けなしで長丁場を持たせるには、この3人は役不足で、大作ハリウッド映画のはずが低予算インディー映画のように見える。アクション場面も幾つかあるが、エキサイティングではない。デヴィッド・イェーツは後編も監督するが、出来が心配だ。


「Red」
またしてもグラフィックノベルの映画化。ブルース・ウィルスやモルガン・フリーマン,ジョン・マルコビッチなどのスターが多く出演しているが,才能の無駄遣いヘレン・ミレンのエピソードは全く不要だし,彼女も他のスターも,もっとかっこよく面白く見せられるはず。


「Scott Pilgrim vs. the World」
これもコミックが原作。主人公が恋する女の子は予告編ではなかなか可愛かったが,本編ではブスな表情が割とあり,映画なのにカットしていない安手な作りで気になった。彼女と付き合うには,沢山の元彼を倒していかなければならないというゲーム感覚の作品だが,まだいるのかとだんだん飽きてくる。


「The Kids Are Alright」
アネット・ベニングジュリアン・ムーアレズビアンカップルは,精子提供を受けて二人の子供を作った。ティーンエイジャーになった子供たちは,自分たちの精子ドナーであるポールに興味を持つ。医師で稼ぎ手のベニングと,働く気はあるがうまく行かない主婦役のムーアは,長年連れ添った中年レズビアンカップルとして説得力があり,子供たちとの関係もうまく描かれている。が,一見幸せそうな家庭に侵入する独身中年という役どころのドナー役マーク・ラファロが,どうも魅力的には見えなかった。いい加減だが色気と現実感のある役柄から考えられたのだろうが,ロスで有機栽培のレストラン経営という設定も,いかにもうさんくさい。