ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

「カウボーイ・ビバップ」みたいな設定のSFを、超B級映画のトロマ出身の監督が担当ということで、もうマーベルはたくさんと思いながらもつい見てしまったら意外と楽しめた。マーベルコミックスおたくのダンナとしては色々文句あるみたいだけどね。マーベル映画の中では一番大人でアホな作品だと思う。ロケット・ラクーン(アライグマ)が最高!!日本版吹き替えで、主人公の「宇宙一ツイテないトレジャー・ハンター」を演じるのは「カウボーイ・ビバップ」の山寺宏一、ちょっと見てみたいかも。
Surprisingly enjoyed 'Guardians of the Galaxy'. I thought no more Marvel movies, but it was hard to resist not to see à la "Cowboy Bebop' directed by a guy with Troma background. Most silly and mature Marvel movie and Rocket Raccoon rocks!

クラウス・キンスキー特集



近所の名画座で10日まで上映中のクラウス・キンスキー特集が待ちきれず、彼が主演する映画で未見のDVDをまとめて見た。「顔面最終兵器」キンスキーは、ヘルツォーク作品以外のほうが禍々しくて美味しい。ヘルツォーク作品だと、猛獣がその自然な住処にいる状態だから。

第二次世界大戦中に死刑を宣告された米兵(!)を演じる、マカロニ戦争映画'Salt in the Wound'は埋もれた名作。ドイツの犯罪映画'Creature with the Blue Hand(写真)'は、ドイツ表現主義ロジャー・コーマン、イギリスの犯罪スリラーが合わさったような楽しい映画で、しかもキンスキーは一人二役。あと忘れてならないのは、マカロニ映画の傑作「殺しが静かにやって来る」「群盗荒野を裂く」。

Couldn't wait for Klaus Kinski restorpective at Anthology Film Archives (-10th) and watched DVDs of his movies I had not seen. Yep, he looks more evil and delicious in non-Herzog movies. In Herzog movies, a dangerous animal is in a natural habitat.

'Macaroni combat' war film 'Salt in the Wound' which he plays a WWII American(!) solider condemmned to death is a surpriging gem as well as a Krimi (German crime movie) 'Creature with the Blue Hand(photos)' . In 'Hand', Kinski played a dual role and it is like German expressionism meet Roger Corman and British crime thriller. Also, don't forget Spagetthi western classic 'A Bullet for the General' and 'The Great Silence'!

「ボーイフッド」「猿の惑星: 新世紀」

この夏の話題作2作。


「ボーイフッド」は同じキャストで12年間撮影し、主人公の少年の5歳から18歳までを描く。目の前で成長していく少年の変化を見るのは喜びであり、リチャード・リンクレイター監督の野心的な冒険は大成功だ。7年ごとに49年にわたって撮られているドキュメンタリー「Upシリーズ」の登場人物ほどには、私の心の中で育たなかったが。「Slacker」「Dazed and Confused」から「Before」シリーズに至るまでの、リンクレイター監督の集大成ともなっている。
Richard Linklater's ambitious movie 'Boyhood' filmed the same cast over 12 consecutive years.The center is a boy named Mason from age 5 to 18. He grew up in front of us (as his parents got older) and it was such a delight to see. The experiment was a big success. However, he didn't grow up in me as much as 'Up' documentary series characters did. The series has filmed every 7 year over 49 years, so it was unavoidable. It was also a great culmination of Linklater's work from 'Slacker' and 'Dazed and Confused' to 'Before' series.



'Dawn of the Planet of the Apes'は夏の大作映画としてはベストの水準。感情と理屈、メッセージとアクションが無理なく溶け合っている。人間を演じる俳優たちが、もっと味があった方が良かったけど、最初から最後までスリリングで楽しめた。
'Dawn of the Planet of the Apes' is the best summer blockbuster movie can be. Emotion, logic, message and action are naturally put together. Although human actors could've been more interesting (=missed James Franco), it was very fun and thrilling to watch.

日曜が待ち遠しい!


トリュフォーの回顧上演で遺作「日曜が待ち遠しい!」を見た。映画について人生について知れば知るほど、トリュフォーは面白い。死因となった脳腫瘍宣告前に撮った作品なのに、ルーツであるヒッチコック・スリラーへの楽しいオマージュとなっている。天国でトリュフォーとヒッチが映画について語り続けているのが見えるようだった。

ノア


「レクイエム・フォー・ア・ドリーム」後のダーレン・アルノフスキー作品は失望続きだったが、「ノアの箱舟」のノアとその家族を描いた新作「ノア」は意外にも良い出来の、ワイルドな想像力が駆使された感動的な作品。思わず創世記を読み直してしまった。読み直してみて、宗教は人生の理不尽さを説明するために作られたんだなあと改めて思った。映画は、ノアを狂信者としてだけでなく、大いに迷える者としても描いている。神の怒りが人間を滅ぼそうとし、自分はその手助けをしているにすぎないと思っていたのに、義理の娘の予想外の妊娠をきっかけとした妻の横やりで、自分の家族だけは未来があるという状況に陥ってしまい、自分たちが特に優れているわけでもないのに何故と思い悩む。台本、演出、配役、演技、デザイン、いろんな点で意図せぬギャグになってしまう危険を巧みに避けている。

ホドロフスキーのDUNE



たくさんの元気とアイデア、笑いと感動を与えてくれる、撮影されなかった映画についてのドキュメンタリー映画。まるでホドロフスキーが目の前でしゃべっているかのよう。なんてチャーミングなおっさん(当時84歳だけど老人に見えない)!なんというアイデア

Q& Aもよかった。ホドロフスキーとプロデューサーは、「Dune」の完成したストーリーボードとデザインブックを持ってハリウッドスタジオを回り、そのブックを取り戻すことは気にしなかった。彼らは、スタジオのビジネスマンとはレベルが違うから。かくして、「Dune」のストーリーボードやデザインは、「エイリアン」「スターウォーズ」などいたるところでコピーされるようになった。あたかも、宇宙的意思が広がるように。

グランド・ブダペスト・ホテル


ウェス・アンダーソン作品中、最も洗練されたエンターテイメント。トレードマークのビジュアルが、確実に登場人物と結びついていて感動的でさえある。大画面で見るべき作品。