演劇

誰もいない国

ピンターの「誰もいない国」をブロードウェイで見た。イアン・マッケランとパトリック・スチュワートという、非常に優れた英国俳優のショウケースとして最高だった。特にマッケランは洒脱そのもの。ピンターの最高作ではなく、主演二人があまりにも達者なの…

「スパイダーマン」ミュージカル

7500万ドルというブロードウィ史上最高の製作費と、「ライオン・キング」のジュリー・テイモア演出&U2のボノとエッジが音楽担当という豪華な顔合わせにもかかわらず、フライング場面で事故が起きるなど問題続きで上演が危ぶまれ、ここ数年タブロイド紙をにぎ…

John Gabriel Borkman ジョン・ガブリエル・ボルクマン

アラン・リックマンが,イプセンの最後期作品に主演する話題作。共演はやはり,舞台と映画両方をこなすイギリスの実力派女優,フィオナ・ショウ(「ハリー・ポッター」シリーズのペチュニアおばさん)とリンゼイ・ダンカン。1月7日から2月5日までBAM小劇場で…

「Throne of Blood」

黒澤の「蜘蛛の巣城」を,前衛演出家のピン・チョンが舞台化し,BAMで11月10〜13日に上演された。休憩なしの1時間半強で,映画をほぼそのまま舞台に移しているが,舞台はカットできないので,不必要な動きが追加されてテンポが悪く,話の筋すらぼやけてしまう…

「アメリカン・イディオット」と未来のブロードウェイ・ミュージカル

グリーン・デイの同名のポップパンク・アルバムをミュージカル化した「アメリカン・イディオット」を見た。ブッシュ政権時代のアメリカ郊外の若者たちが都市に出て行き、愛を見つけ、誘惑に会い、失望し、再び郊外に戻るだけの話だが、彼らの不器用な怒りやエ…

Forbidden Broadway Goes to Rehab

ブロードウェイ作品を長年パロディーしてきたオフ・ブロードウェイのレビュー「フォービドゥン・ブロードウェイ」が3月1日で27年の歴史を閉じる。最後の週の舞台は10年ほど前に見たときより、さすがに気合が入っていて、死ぬほど笑わせてくれた。と同時に、…

賭博者,幽霊,銀行強盗

The Homecoming 帰郷 ブロードウェイで再演中の舞台。ハロルド・ピンター作でブロードウェイ初演は1967年。ピーター・ホールが演出した1973年のビデオが鳥肌立つほど良く、この再演も好評なので見に行った。悪くないが、出演者全員のロンドンなまりが本物でな…

不条理演劇,P.T.アンダーソンなど

ブロードウェイで再演中の、ハロルド・ピンター作の戯曲The Homecomingが評判が良い。イメージとして分っていても、実物を見たことがなかった不条理演劇の舞台と映画を、まとめて見てみた。The Homecoming 帰郷 ピーター・ホール演出、ロイヤル・シェイクス…

母はボラット

6月末の5日間、母と父方のおばが私の家に滞在した。家族の経済的援助により、客を泊める部屋のあるアパートが持てるようになって以来、初めての母の滞在で緊張したが、楽しんでもらえたようだった。私も、自分の好きなNYと生活を知ってもらおうと、一緒に楽…

ビデオ日記など

処女ゲバゲバ:ラス・メイヤー+「エル・トポ」みたいな、シュールなエロと暴力で、ファンタジーや政治的要素もある不思議な、若松孝二の初期の佳作。Lorna : ラス・メイヤー。Faster, Pussycat! Kill! Kill!より1年前の1964年作品だが、エロと暴力を見せる…

ビデオ日記など

4月中旬から失業中だが、毎日ビデオを見るのに忙しく、まったく退屈しない。朝きちんと起きて、鉢植えのパンジーやバジルの手入れをし、ヨガ、映画を日に2-3本見て、本も読み、家事をするだけで、一日が充実して過ぎていく。週末は音楽活動や友人と会ったり…

The Pirate Queen

金曜日に、3年3ヶ月勤めた某社での翻訳の仕事が終了。夜は、オープンしたばかりのブロードウェイ・ミュージカル「The Pirate Queen」を見た。NYタイムズの批評も悪く、全然期待していなかったが、やっぱりひどく、同行した友人の演劇プロデューサーとため息…

ジュリア&バンパイアon Broadway, ミック・ジャガー、TVコメディに出演?

今シーズンのブロードウェイもつまんなそうで、自腹を切って見たくなるような作品はなさそう。とはいえ、最も影響力のあるNYタイムズの劇評は、悪い評でも、そこはプロの仕事で面白く書かれている。その中から話題作を紹介。 一番の話題作はジュリア・ロバー…

本物のブロードウェイ・スター

本物のブロードウェイ・スターを初めて見て感動した。 「ウエストサイドストーリー」の初演でアニタ役を演じたチタ・リヴェラの、自伝的ミュージカル「The Dancer’s Life」である。 私は、ここ6年ほど演劇関係の仕事をしているので、ブロードウェイの舞台は…